Googleの検索サジェスト(オートコンプリート)には、企業や個人にとって非常にセンシティブなワードが表示されてしまうことがあります。ときには事実と異なる内容や名誉を傷つけるような表現、営業妨害にもなりかねない言葉が並ぶことも増えてきています。そうした場合、Googleに対して「サジェスト削除申請フォーム」からの削除申請が可能です。しかし、申請をしたにもかかわらず、削除されないケースも多くあります。
本記事では、Googleのサジェスト削除申請が却下された場合に考えられる原因と、次に取るべき具体的なアクション、さらには削除を実現するための実践的な対策について解説します。
サジェスト削除申請が却下される主な理由
サジェストの削除申請が通らない理由は主に3つ存在します。
1. Googleの削除基準に該当しない
Googleは明確に「法律に違反しているか」「個人情報が含まれているか」「名誉毀損レベルに達しているか」など、厳格なガイドラインをもとに削除可否を判断しています。単に「ネガティブ」「印象が悪い」といった理由では、削除されないことが多いです。
2. 検索ボリュームが多く、アルゴリズムが自動生成している
Googleのサジェストはユーザーの検索行動に基づいて自動生成されるため、あるワードが多く検索されている限りは「自然なトレンド」と見なされ、削除されにくいとされています。
3. 内容の裏付けがネット上に存在している
掲示板、SNS、口コミサイト、まとめサイトなどで同様の内容が出回っている場合、「公的な評価」や「ネット上で議論されている情報」として扱われ、削除対象から外れる傾向があります。
実際、ネガティブなサジェストキーワードの中には、やばい、ひどい、最悪、といった抽象的なネガティブワードが多いため、それらを申請してもなかなか削除されないというのが実情のようです。
それでは、削除されなかったとき、どのような行動を取れば良いのでしょうか。
サジェストの削除申請が通らなかったときに検討すべき選択肢
1. 改めてサジェスト削除の申請をし直す
一度却下された場合でも、表現の仕方を変えたり、補足資料を加えることで、再度申請が通ることがあります。特に法人や弁護士経由での申請は通りやすくなる傾向があります。
- 検索ワードが与える具体的な被害を詳細に説明
- スクリーンショットなどの証拠を添付
- 誹謗中傷やプライバシー侵害との関連性を明記
2. 弁護士を通じて申し立てを行う
Googleのポリシーでは、個人の法的代理人である弁護士からの申請は、一定の信用性があるとされ、個人申請よりも対応率が上がる可能性があります。特に名誉毀損やプライバシー侵害に該当する場合は、弁護士からの申し立てが有効です。
弁護士から申請する場合は、サジェスト削除申請フォームの中でも「法律に基づく削除に関する問題」から申請を行うようにします。
https://support.google.com/legal/troubleshooter/1114905?hl=ja#ts=9814647%2C9815053%2C3337372
3. ポジティブなキーワードを上書き表示させる
Googleのサジェストはユーザーの行動によって変動するため、ネガティブワードを押し下げる(ポジティブワードを表示させる)という戦略があります。たとえば、「〇〇(企業名) 評判」というネガティブなサジェストがある場合に、「〇〇 採用」「〇〇 店舗一覧」「〇〇 評価 高い」などを上位に表示させるよう誘導する手法です。サジェスト対策会社が行う手法は基本的にこの3番になります。
逆にやってはいけないNG行為
逆効果となってしまう事例も併せてご紹介します。
1. 何回も申請を行う
同じ内容で何回も申請する行為は、それ自体がいたずらと判断され、申請が無効になってしまう恐れがあります。特に同一内容を同一IPで申請する行為は控えましょう。
2. 他人になりすまして申請を出す
たとえば「被害者を装って別人として申請」するようなケースは、Googleポリシーに違反しており、発覚した場合はすべての申請が無効となるリスクがあります。申請する場合は必ず本人か代理弁護士が行うことをおすすめします。
3.知見のない状態で対策を行う
申請ではなく、サジェスト対策を自社で行う企業様も中にはいらっしゃるようですが、十分な知見がない状態で対策を行うと、逆にシグナルを強めてしまい、上位に表示され続けてしまうリスクがあります。対策の導入を検討される場合は、専門の対策会社に依頼した方が確実です。
サジェスト対策は、正攻法でやっても削除が叶わないことも多く、専門的な知見を元に、継続的に施策を行うことが必要です。
- サジェストアルゴリズムに基づく適切な対策を行ってくれるか
- ポジティブキーワードを表示させる際、適切なキーワードを提案してくれるか
- 最新のアルゴリズムに適用できているかどうか
- 法的視点からの削除支援は可能か(弁護士連携)
サジェスト対策会社に依頼する際は、上記のポイントを抑えながら相談してみることをおすすめします。
削除申請が通らないからといって改善を諦めない!
Googleのサジェストは、ビジネスの信用や個人の名誉に大きな影響を与えます。削除申請が通らなかったとしても、「表示させない」ではなく「別のワードに置き換える」という考え方で対処することで、実質的なリスクを軽減することが可能です。
サジェストの問題は、見え方の問題であると同時に、検索者の心理に大きな影響を与えます。削除にこだわるあまり時間と労力を無駄にするよりも、ポジティブな情報を意図的に表示させることで、検索環境そのものを健全化するという発想も重要です。目指すべきは、サジェストを消すことだけではなく、検索者が自然にポジティブな印象を持てる検索環境を作ることだと当社では考えております。
ネガティブなサジェストにお困りのお客様は、実績豊富な当社に是非一度ご相談ください。
