2023年8月、Googleは日本でも試験的にSGEが利用できるようになったことを発表しました。SGEとは”Search Generative Experience“の略で、Googleが提供している検索エンジンにおける、生成AIが組み込まれた新しい検索エンジンのことを指します。まだ正式版はリリースされておらず、あくまでも試験版にはなりますが、https://labs.google.com/search/login?is=soから誰でも登録し、利用することができます。

SGEの導入で、最も着目すべきポイントは、広告とSEOとAIがどのように検索ページに表示されるかという点です。

現在の検索エンジンは、キーワード検索後、最上位にリスティング広告枠、その下にSEO枠という並びになっておりますが、生成AIが導入された新しい検索画面は、下記のようになっております。

「サジェスト対策のメリット、デメリット」という検索ワードで言うと、最上位がリスティング広告枠、その下に生成AI枠、その下にSEO枠、という順番になっております。AI枠では、検索ワードに対する簡潔なまとめが表示され、「追加で聞く」をクリックすると、chatGPTのようなチャット画面に切り替わるようになっています。

もしこのUIでほぼ確定となると、今後検索エンジンのマーケティングを行う際、下記2つのポイントを抑えていく必要があると考えます。

①リスティング広告の重要性は変わらないが、多様な検索キーワードに適応できる設計が必要

Googleは広告ビジネスで収益を上げる会社なので、広告は一番目立つ最上位に表示させるという点は変わらないことが予想されます。しかし、従来のキーワードベースの検索のみならず、質問形式のテキストや、長文など、様々な検索キーワードで検索されるようになることが想定されます。広告のシステムもある程度は学習してくれますが、本格的に導入された際は、検索キーワードの変化には注視していく必要があります。

②生成AI枠に自社情報を表示出来るかどうかがポイント

検索ワードに関する要約が生成AI枠に表示される場合、わざわざSEO枠まで見に行かなくても検索者のニーズがAI枠で満たされるケースが増えてくることが想定されますが、さらに情報を知りたいとなるケースも当然出てきます。

そうなったときに、生成AI枠内に表示されている赤枠の部分は、サムネイル付きで目立つこともあり、抑えたい場所の1つと言えそうです。

SGEの生成AI枠

当社もいくつかのキーワードでこの3枠に表示されていることは確認できておりますが、検索キーワードに関して親和性が高く、Googleが評価しているサイトがピップアップされるケースが多いようです。そのため、従来のE-E-A-Tを意識したサイト作りは今後も有効と言えるでしょう。

また従来のSEO対策であれば、まずは1ページ目を目指しましょうという目標を掲げて行うケースが多かったと思いますが、新しいUIを考えると、1位、少なくとも2位を取らない限り、ほとんど流入は見込めないと言えそうです。もちろんAIの制度やクエリにもよりますが、ファーストビューに1位のサイトですら表示されないケースも多々確認できており、下位のページのCTRはますます低くなっていくことが考えられます。そのため、現時点では引き続きサイトの評価を上げていくことに注力することが得策と言えそうです。

SGEとBardの違いについて

GoogleはSGE以外にも、Bardを既にリリースしていますが、この両者では何が違うのでしょうか?端的に申し上げると、BardはAIチャットでSGEは検索エンジンです。BardはGoogle版chatGPTと言い換えても良いでしょう。用途も両者で異なりますが、使い慣れた検索エンジンにAIが搭載されたSGEの方が利用が進んでいくことが考えられます。

今回、SGEについてご紹介してきました。まだまだ改良が進んでいくことが予想されますが、今の時点から色々と実験し、正式導入後にサイトへの流入数を落とさないように対策を進めていくことをおすすめします。当社でもSGEの研究、アルゴリズムの解析を進め、お客様に有益なサービス提供ができるよう準備を進めております。

また、CREXの運営するAI総研では、chatGPTをはじめとしたAIツールを活用し、企業の支援を行っております。AIを活用した戦略に興味がある企業様は一度問い合わせてみることをおすすめします。