近年、日本を訪れる外国人観光客(訪日外国人)の数は増加傾向にあり、観光・飲食・宿泊業界を中心にインバウンド集客がますます重要になっています。しかし、多様な国や地域からの訪問者を効果的に集客するには、まず彼らが実際に何を求めているのかを正確に把握する必要があります。そこで注目されるのが、Google検索サジェストです。
本記事では、検索サジェストを分析して訪日外国人のリアルなニーズを掘り下げ、具体的な集客アイデアを提案していきます。

なぜ検索サジェストがインバウンド集客に有効なのか

Google検索サジェストとは、ユーザーが検索キーワードを入力する際に、よく検索されている関連キーワードを自動的に提案する機能です。このサジェスト機能は、ある程度リアルタイムに検索トレンドを反映しており、訪日外国人が実際に求めている情報(=検索しているキーワード)を的確に把握できる有力なツールです。特に言語や文化の違いから生じるニーズをリアルに捉えられるため、インバウンド向けキーワード対策に非常に有効となります。訪日外国人がよく検索するキーワードには、以下のような傾向が見られます。

①地域特化型キーワード

例えば、「Tokyo best sushi」「Osaka nightlife」「Kyoto temple tour」など、都市や地域名を具体的に入れた検索が多く見られます。日本でも「京都 観光」などと検索するシーンは多いと思いますが、同じような感覚で検索されていることがわかります。

②食や体験を求めるキーワード

「Ramen restaurants」「Wagyu beef restaurants」「Japanese tea ceremony experience」など、日本独自の食文化や体験を具体的に求める傾向があります。さらに地域で絞りたい場合は、「Ramen restaurants in Shibuya」などで検索されます。

③便利さや評価に関連するキーワード

「Recommended hotels」「High-rated ryokan」「Best shopping area」など、利便性や評価が明確なキーワードもよく検索されています。サジェストはスペースの位置やハイフンの有り無しなどでも表示ワードは異なるため、色々な言い回しのパターンを調べてみることをおすすめします。

④文化・季節的イベントに関するキーワード

「Cherry blossom viewing」「Summer festivals in Japan」「New Year traditions Japan」など、季節や日本文化特有のイベントに関連した検索も見られます。時期から外れると検索数は落ちますが、その時期を狙って任意のサジェストキーワードを表示させ、集客を狙うという使い方も可能です。

以上、様々な検索ワードのパターンを見てきましたが、基本的に単語をスペースで区切って検索する習慣がある点は日本と共通しています。ただ、文章での検索も日本より習慣化されているので、そのあたりの検索行動を意識して各施策に活かすようにしましょう。

また中国に関しては、少し独特な習慣があるため、グーグル検索ではなく、百度や大衆点評、rednoteなど、中国国内でメインで使用されているサービスのサジェストをチェックするようにしましょう。

検索サジェストから見える訪日外国人のリアルなニーズ

検索サジェストを見てみると、外国人観光客は日本への旅行の際、以下のようなニーズがあることがわかります。

・日本ならではの食や文化体験への強い関心がある
・高品質なサービスや商品の評判を重視する
・地域ごとの特徴や特色を楽しみたいという欲がある
・観光客向けの具体的な便利さがあるかどうかをチェックする

これらのニーズを具体的に把握することで、より効果的なインバウンド対策が可能になります。検索サジェストからニーズを読み取り、自社のサービスにおいてきちんと対応できているか改めて確認してみると良いでしょう。

検索サジェストを活用した具体的な集客方法を解説

サジェストワードを通して具体的なニーズが判明した場合、それをどのように活かせば良いでしょうか。ここからは、サジェストワードを活用し、どのようにWEBマーケティングに活かしていけば良いか解説していきます。

1.検索サジェストを元に、外国語コンテンツを充実させる

訪日外国人が頻繁に検索するキーワードをもとに、英語、中国語、韓国語などの外国語コンテンツを積極的に作成、発信していくことが重要です。具体的には、地域名やサービス名を外国語で網羅したウェブページやブログ、Googleビジネスプロフィール、SNSを通じて発信していくことで、外国語でのSEO対策をおこなうことになります。

2.口コミサイトのコンテンツを充実させる

TripAdvisor(トリップアドバイザー)や大衆点評などの口コミサイトでも、積極的にコンテンツを発信したり評価やレビューを集めるようにしましょう。各口コミサイトは無料でアカウントを作成できるサービスも多いですが、有料の公式アカウントを作成することで、より詳細な情報を登録することができるようになるケースもあります。当社では各サービスの公式アカウントの作成代行を承っております。

検索サジェストを活用した成功事例

ここからは、検索サジェストを活用した対策で、訪日外国人数の客数が伸びた事例を紹介します。

ケース1:都内の飲食店

ある東京の寿司店は、「Tokyo best sushi」などのSushiに関する検索サジェストを抽出し、それらのキーワードを元に英語コンテンツを公式サイトやGoogleビジネスプロフィールに充実させました。その結果、Google検索からの外国人予約数が前年比で25%増加しました。

ケース2:京都のホテル

とある京都のホテルでは、「Kyoto traditional ryokan」「Best ryokan Kyoto」といった検索サジェストを参考に、公式サイトの外国語ページやトリップアドバイザーなどの口コミサイトを強化したところ、訪日外国人の予約が30%程度増加しました。

検索サジェストを活用する際には、まずはご自身がいる業界に絡むキーワードを検索ボックスに入力し、どのようなキーワードがサジェストされるかを見てリストアップしてみましょう。一点注意点として、ブラウザの言語をその国の言語に設定しないと、外国人が検索するデバイス環境と同じにならないため、言語設定を行うようにしましょう。また、外国語の正確性を確保するために、できればその国のネイティブスピーカーの協力を得ることも重要です。これにより、検索ワードの特徴やクセをより的確に掴むことが可能です。

まとめ

Google検索サジェストを活用すれば、訪日外国人のリアルなニーズを的確に把握できます。これに基づいた外国語コンテンツの充実、地域特化型の情報発信、口コミサイトとの連携などの施策を実施することで、インバウンド集客を効率的に向上させることが可能です。

当社では、サジェストマーケティングをはじめとしたインバウンドマーケティングのご提案が可能です。例えば「shibuya yakiniku」と入力した時に、サジェスト欄に任意の焼き肉店を表示させて集客を図ることなども可能です。サジェストに関してご不明な点等ございましたらお気軽にお申し付けください。